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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成29年(2017)10月13日(金曜日)
通巻第5473号 <前日発行>
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中国共産党、もう一つの大物人事は誰に?
中央銀行総裁の周小川も賞味期限切れ、15年間君臨したが
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周小川(中国人民銀行総裁)はリーマン・ショックをヘリコプター・ベン(ベン・バーナンキ前FRB議長は資金供給を増発して危機を乗り切った)の方式で乗り切り、上海株暴落では人為的な取引停止、空売りの事実上の禁止などの荒療治を用いた。
そのうえ、狐が木の葉を札びらと化かすかのように人民元をIMFのSDR通貨に仲間入りさせ、くわえて外貨流出を資本規制という禁じ手で防衛した。だから周小川は「中国のグリーンスパン」と評された。
周小川は朱容基・元首相の弟子。朱はWTOに加盟し、国有企業改革に大なたを振るい、4000万人を解雇し、民営化、市場化に乗り出して西側が瞠目した。
通貨改革も、朱首相が主導した。その後の温家宝も、いまの李克強も国務院総理という経済政策の要に位置しながらも、朱容基が実践したような大胆な経済政策に舵取りは出来なかった。
周小川は過去十五年の長きにわたって中国の金融財政政策の中枢にあり、ようやく賞味期限切れ。第十九回党大会前後には退任が予定されている。王岐山の留任があれば、周小川の定年も延長され、留任がないわけでもないが、となれば中央銀行総裁ポストに二十年ということにある。引き時は今、というのが彼の偽らざる心境だろう。
後継人事、はやくも三人の有力者が経済界の下馬評に挙がっている。
蒋超良(湖北省書記。元吉林省書記)は、エコノミストではないが、政治畑の辣腕で習近平が注目している。
郭樹清は現在、中国銀行監督監査委員会のトップ。順当ならエコノミストとして世界に知られるエリートゆえに、適切な人事だろう。
もう一人が易剛(中央銀行副総裁)も著名なエコのミストだ。
易は、周小川の直接の部下でもあり、関係から言えば一番深い。だが、日米欧と異なって、中国では中央銀行総裁人事も政治的コネクションの強さできまるので、誰が最右翼で誰がダークホースかというくらいの予測しか出来ないのである。
□◇□み△□◇や□▽◎ざ□◇□き◎□◇
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● 共産主義は本来官僚(共産党)の天下です。旧ソ連の崩壊で恐怖にかられたので
擬態資本主義化で、世界からお金と技術と人材を引き付けたのです。擬態化が
大成功した以上、又USAが彼らを資本主義の仲間と誤解している以上、
● それ以上の改革は必要性がないのです。特に国有企業などは、官僚=共産党の天下り先ですから、
従業員を首切って、国有企業を援助改革はしても、潰すことはやりません。それでは
武人国家でなく、本当の資本主義になるからです。
● そんなことは270年サイクルの歴史の法則が許しません。だから温家宝も李克強も改革は
それ以上できないのです。資本主義の日本でさえも天下り先は段々と増えるのです。
擬態資本主義の独裁国家の官僚・共産党員はそれで生きているのですから、
● もう西側への迎合は必要ないのです。それを知らないキッシンジャーは日本にとって
疫病神となる可能性が大です。彼が中共に迎合するからです。
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成29年(2017)10月13日(金曜日)
通巻第5473号 <前日発行>
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中国共産党、もう一つの大物人事は誰に?
中央銀行総裁の周小川も賞味期限切れ、15年間君臨したが
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周小川(中国人民銀行総裁)はリーマン・ショックをヘリコプター・ベン(ベン・バーナンキ前FRB議長は資金供給を増発して危機を乗り切った)の方式で乗り切り、上海株暴落では人為的な取引停止、空売りの事実上の禁止などの荒療治を用いた。
そのうえ、狐が木の葉を札びらと化かすかのように人民元をIMFのSDR通貨に仲間入りさせ、くわえて外貨流出を資本規制という禁じ手で防衛した。だから周小川は「中国のグリーンスパン」と評された。
周小川は朱容基・元首相の弟子。朱はWTOに加盟し、国有企業改革に大なたを振るい、4000万人を解雇し、民営化、市場化に乗り出して西側が瞠目した。
通貨改革も、朱首相が主導した。その後の温家宝も、いまの李克強も国務院総理という経済政策の要に位置しながらも、朱容基が実践したような大胆な経済政策に舵取りは出来なかった。
周小川は過去十五年の長きにわたって中国の金融財政政策の中枢にあり、ようやく賞味期限切れ。第十九回党大会前後には退任が予定されている。王岐山の留任があれば、周小川の定年も延長され、留任がないわけでもないが、となれば中央銀行総裁ポストに二十年ということにある。引き時は今、というのが彼の偽らざる心境だろう。
後継人事、はやくも三人の有力者が経済界の下馬評に挙がっている。
蒋超良(湖北省書記。元吉林省書記)は、エコノミストではないが、政治畑の辣腕で習近平が注目している。
郭樹清は現在、中国銀行監督監査委員会のトップ。順当ならエコノミストとして世界に知られるエリートゆえに、適切な人事だろう。
もう一人が易剛(中央銀行副総裁)も著名なエコのミストだ。
易は、周小川の直接の部下でもあり、関係から言えば一番深い。だが、日米欧と異なって、中国では中央銀行総裁人事も政治的コネクションの強さできまるので、誰が最右翼で誰がダークホースかというくらいの予測しか出来ないのである。
□◇□み△□◇や□▽◎ざ□◇□き◎□◇
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● 共産主義は本来官僚(共産党)の天下です。旧ソ連の崩壊で恐怖にかられたので
擬態資本主義化で、世界からお金と技術と人材を引き付けたのです。擬態化が
大成功した以上、又USAが彼らを資本主義の仲間と誤解している以上、
● それ以上の改革は必要性がないのです。特に国有企業などは、官僚=共産党の天下り先ですから、
従業員を首切って、国有企業を援助改革はしても、潰すことはやりません。それでは
武人国家でなく、本当の資本主義になるからです。
● そんなことは270年サイクルの歴史の法則が許しません。だから温家宝も李克強も改革は
それ以上できないのです。資本主義の日本でさえも天下り先は段々と増えるのです。
擬態資本主義の独裁国家の官僚・共産党員はそれで生きているのですから、
● もう西側への迎合は必要ないのです。それを知らないキッシンジャーは日本にとって
疫病神となる可能性が大です。彼が中共に迎合するからです。