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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成29年(2017)7月19日(水曜日)弐
通算第5362号
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ロシアからも資金流失が続いている
中国に次いでロシア経済を絶望と判断したのか?
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2017年3月から四ヶ月連続で、ロシアから資金流出がつづき16億ドルが逃げた。原油価格の回復がままならない上、年初に希望された米露関係の改善が遅れ、投資家が嫌気したと分析されている。
しかしBRICS諸国にあってはインドに26億ドル、ブラジルには10億ドルの資金が新たに流入しているのだ。BRICS全体の傾向と判断するには無理がある。中国と南アから資金流出が続いているのは個別原因である。
ところが奇妙なことにユーロ建てのロシア債は85%を外国人投資家が購入した。
30年債に到っては95%がアメリカのファンド筋と判定され、首を傾げるアナリストが多い。なぜ、落ち目のロシア国債を買うのか? たぶんユーロ建てであり、通貨価値が上がり、金利が上がると踏んでいるからだ。
ロシア通貨ルーブルは原油価格が上昇気味となり、ロシアへの直接投資が増えると為替レートがあがり、反対のケースでは通貨価値が下がる。つまり、投資家にとって、ルーブルもまた金融商品として扱われ西側の投資家にとっては格好の投機材料化しているのである。
中国の通貨が管理相場制をとって人民元暴落を防止しているが、ロシアの中央銀行は、そうした真似をせず自由市場に委ねた。
ということは金融市場に関して言えば、ロシアのほうが西側資本主義に中国より近いという結論となるが、はたしてそうか?
□▽◎み□◇□や□▽◎ざ□◇□き◎□◇
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● 単純に考えるべきであろう。つまり、ロシアの長期債が買われるのは、長期的には
原油が上がるとみているからである。そうでなければ、資源国家のUSAは
長期的には、私が書いた様に、生き残れないのです。
● つまり、資本主義が終われば、USAもロシア同様資源で食っていかざるを得ないのです。
膨大な貿易赤字を、関税や脅しでだけで減らすのは、困難なのです。
従ってやがて来る世界的株式市場の大暴落後は、
● 次は資源の時代が来ることを意味しています。資源を輸入で賄っている国々は、
その支払いで貿易赤字が増える事を意味します。日本や韓国や中国や
その他資源の輸入が多い国は、再び儲けを資源で吸い取られるのです。
● これがトランプ氏が東欧でロシアのものだはなくUSA産のエネルギ源を買うように言った理由です。
つまり、格調高い思想的な大演説をぶった後に、結局はUSAのガスを買うように言った
最後の言葉が、USAの将来の姿を現したのです。
● 4,5年前であったと思われるが、DOWは22000ドル台まで可能性があると書きました。
その限界が近づいているのです。これは2000年からの暴落と、2007年からの暴落が
作る調整の波が、トライアングルならず、拡大型トライアングルだからです。
● 日本語で言えばボックス型になりますが、上下しながら徐々に波の振幅が減るのが
普通のトライアングルですが、それが減衰せずに逆に振幅が拡大する
のが拡大型トライアングルです。
● 物理の法則でも同じですが、追加の振動エネルギーがなければ、減衰するのが波の形です。
逆にそれが拡大するのは、波の上昇期にエネルギーが追加されたことを意味します。
経済学ではそのエネルギーは勿論お金です。
● つまり有り余っているお金が行き場を株式市場のみに向けている事を意味します。
これが不景気と云うことです。つまり、日常の経済活動にお金が回ってこない
ので景気が回復したように見えても、賃金がろくに上がらないのです。
● 従って22000ドル前後まで上がったDOWはやがて巨大な崩壊が来ることを意味するのです。
これが調整波である拡大型トライアングルの意味するところです。
大金融緩和+調整波=拡大型トライアングルと云うことです。
● ロシアが変動相場制を守っているのは、やはり資源を西側に売っているのがその最大の
原因と思われます。つまり通貨が下落しても、ドル建てで入ってくる資源代は
見かけ上高くなりますから、それほど困らずにやっていけるでしょう。
● そのかわり、国内政治では、睨まれたら脱税容疑で会社はそっくりプーチンに取られます。
それで国内政治(統制)と対外変動相場制(自由)のバランスを保っているのでしょう。
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成29年(2017)7月19日(水曜日)弐
通算第5362号
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ロシアからも資金流失が続いている
中国に次いでロシア経済を絶望と判断したのか?
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2017年3月から四ヶ月連続で、ロシアから資金流出がつづき16億ドルが逃げた。原油価格の回復がままならない上、年初に希望された米露関係の改善が遅れ、投資家が嫌気したと分析されている。
しかしBRICS諸国にあってはインドに26億ドル、ブラジルには10億ドルの資金が新たに流入しているのだ。BRICS全体の傾向と判断するには無理がある。中国と南アから資金流出が続いているのは個別原因である。
ところが奇妙なことにユーロ建てのロシア債は85%を外国人投資家が購入した。
30年債に到っては95%がアメリカのファンド筋と判定され、首を傾げるアナリストが多い。なぜ、落ち目のロシア国債を買うのか? たぶんユーロ建てであり、通貨価値が上がり、金利が上がると踏んでいるからだ。
ロシア通貨ルーブルは原油価格が上昇気味となり、ロシアへの直接投資が増えると為替レートがあがり、反対のケースでは通貨価値が下がる。つまり、投資家にとって、ルーブルもまた金融商品として扱われ西側の投資家にとっては格好の投機材料化しているのである。
中国の通貨が管理相場制をとって人民元暴落を防止しているが、ロシアの中央銀行は、そうした真似をせず自由市場に委ねた。
ということは金融市場に関して言えば、ロシアのほうが西側資本主義に中国より近いという結論となるが、はたしてそうか?
□▽◎み□◇□や□▽◎ざ□◇□き◎□◇
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● 単純に考えるべきであろう。つまり、ロシアの長期債が買われるのは、長期的には
原油が上がるとみているからである。そうでなければ、資源国家のUSAは
長期的には、私が書いた様に、生き残れないのです。
● つまり、資本主義が終われば、USAもロシア同様資源で食っていかざるを得ないのです。
膨大な貿易赤字を、関税や脅しでだけで減らすのは、困難なのです。
従ってやがて来る世界的株式市場の大暴落後は、
● 次は資源の時代が来ることを意味しています。資源を輸入で賄っている国々は、
その支払いで貿易赤字が増える事を意味します。日本や韓国や中国や
その他資源の輸入が多い国は、再び儲けを資源で吸い取られるのです。
● これがトランプ氏が東欧でロシアのものだはなくUSA産のエネルギ源を買うように言った理由です。
つまり、格調高い思想的な大演説をぶった後に、結局はUSAのガスを買うように言った
最後の言葉が、USAの将来の姿を現したのです。
● 4,5年前であったと思われるが、DOWは22000ドル台まで可能性があると書きました。
その限界が近づいているのです。これは2000年からの暴落と、2007年からの暴落が
作る調整の波が、トライアングルならず、拡大型トライアングルだからです。
● 日本語で言えばボックス型になりますが、上下しながら徐々に波の振幅が減るのが
普通のトライアングルですが、それが減衰せずに逆に振幅が拡大する
のが拡大型トライアングルです。
● 物理の法則でも同じですが、追加の振動エネルギーがなければ、減衰するのが波の形です。
逆にそれが拡大するのは、波の上昇期にエネルギーが追加されたことを意味します。
経済学ではそのエネルギーは勿論お金です。
● つまり有り余っているお金が行き場を株式市場のみに向けている事を意味します。
これが不景気と云うことです。つまり、日常の経済活動にお金が回ってこない
ので景気が回復したように見えても、賃金がろくに上がらないのです。
● 従って22000ドル前後まで上がったDOWはやがて巨大な崩壊が来ることを意味するのです。
これが調整波である拡大型トライアングルの意味するところです。
大金融緩和+調整波=拡大型トライアングルと云うことです。
● ロシアが変動相場制を守っているのは、やはり資源を西側に売っているのがその最大の
原因と思われます。つまり通貨が下落しても、ドル建てで入ってくる資源代は
見かけ上高くなりますから、それほど困らずにやっていけるでしょう。
● そのかわり、国内政治では、睨まれたら脱税容疑で会社はそっくりプーチンに取られます。
それで国内政治(統制)と対外変動相場制(自由)のバランスを保っているのでしょう。