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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成29年(2017)5月25日(木曜日)
通算第5304号
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英国テロ、欧州は厳戒態勢、渡航注意勧告。そして、フィリピンに戒厳令
テロ大国パキスタンでは、また中国人ふたり誘拐
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パキスタンのバロチスタン地方は、民族も言語も異なり、独立運動が燃えさかる。北隣はアフガニスタンで、タリバンが往々にして逃げ込む先が、このバロチスタン地方でもある。
州都はクエッタ。中国がパキスタンと推進する世紀のプロジェクト(パキスタンにとって)、一帯一路のパキスタン版「CPEC」の中心拠点である。
CPECとは中国パキスタン経済回廊の略。
5月24日、真昼。クエッタの語学センターからでてきた中国人教師ふたりが武装グループに車で誘拐された。
もう一人もセンター付近で誘拐されそうになった。身代金を狙う中国人誘拐事件としてCCTV(中国中央電視台)が大々的に報じた。
CPECは総額550億ドルという天文学的巨額を投下してグアダール港から、パキスタンを斜めに横切り、中国の新彊ウィグル自治区カシュガルまで、鉄道、ハイウエィ、パイプラインの三つを同時に敷設し、付随して光ファイバー網を建設するという習近平の政治生命をかけた取り組みであり、北京で一帯一路国際フォーラムを開催して二週間後の事件だから、すっかり習近平の顔に泥を塗られた形となった。
巨額の商談に群がるパキスタン政府は中国と協力関係にあるため、語学センターに通って中国語を学ぼうとする人が増えた。
クエッタでは中国語熱が盛んだといわれてきた。その象徴が語学教師であり、これを誘拐するという行為は、中国に対しての挑戦である。
すでに中国人に対するテロ事件はバロチスタンで頻発しており、2004年には中国人エンジニアふたりが誘拐され、ひとりは殺害された。
2015年には中国人観光客が誘拐され、タリバンと交渉の結果、一年後に身代金を支払った釈放された。
こうした治安環境の悪化のため、中国人労働者は現場でも隔離された場所に収容され、その周辺ならびに工事現場の沿線をパキスタン軍兵士が警護するというへんてこな構造になっている。
▼バロチスタンはもともと独立国家だった
さてパロチスタンは何故治安が悪いのかと言えば、パキスタンへの帰属に不満があるからだ。
歴史的に見れば、この地方は「カラート藩国」である。カラート藩国は1639年に成立し、1876年に英国の支配を受けた。英国の密約によりパキスタン軍が1948年に侵攻し、併呑した経緯がある。
バローチ人が関与しないところで勝手に決められた領土策定の密約は、中東地図を一方的に線引きしてイラク、ヨルダン、シリア国境などを策定し、パレスチナにユダヤ人国家の建設も示唆し、密約した「マクマホン書簡」、バルフォア宣言」、そして「サイクスピコ協定」のようなものだった。
サイクスピコ協定は1916年に英国、仏蘭西、露西亜が結んだ密約で、オスマン・トルコ帝国の解体以後の地図の策定だった。
これは英国お得意の二枚舌、三枚舌外交の典型であり、結局は力のある勢力が勝つのだ。
バロチスタンは、「バローチ人の国」という意味であり、ハザラ人、ペルシャ人、パシュトン族が混在しており、言語も独自の言葉のほか、ウルドウ語、ペルシア語が通じる地域が点在する。
ソ連がアフガニスタン侵攻のおり、背後を突く地勢を利用して、バロチスタンを支援した。
パキスタン軍の情報部やタリバン、アルカィーダの裏の結び付きは、このクエッタが中心とも言われる。
近年は、国際力学から、中国に対応し、パキスタンに敵対するインドの陰謀という説も広く流布している。実際にクエッタではモディ(印度首相)の人形とインド国家を焼く、反インド暴動が起きている。
これもまた、パキスタンの反中感情をすり替えるため中国が背後でやらせたという説もあるから、陰謀論の拡大ドミノだ。
パキスタンは、このバロチスタンで1998年に核実験を強行し、米軍の偵察機が上空のサンプルを収集した結果、北朝鮮と同様なミサイルや核施設が使われ、プルトニウムを検出するに至った。
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● 2030年台、世界の秩序は崩壊して、第三次内戦型世界大戦へと突入、さらに
2046年~2059年、先進先輩西欧資本主義が崩壊、世界は戦国時代へと
進むのです。特にイスラム回廊はまだ混乱は収まらず、
● 今から君主の時代造りをしようとしているのです。テロはその表れです。テロを
抑えて、一帯一路を造りきれるのか中共? まさに中共の力が試される時です。
● 英米がグローバリゼーションの名のもとに世界を支配できたのは、各国の資本主義者の
富裕者同士の思惑が一致したからです。つまり世界市場を必要とした富裕者は、
最後は協力して、世界市場を造る必要があったからです。
● しかし君主の国造りをするイスラムには、資本主義的世界市場は必要ありません。
必要なのは、ピラミッド型の身分制度に似た、安定した国内造りが
最大のテーゼです。
● 更に擬態資本主義となり、資本主義国の真似をして、一帯一路に投資をするとは、
初めから主要矛盾が露呈しています。毛沢東が生きていたなら、その矛盾を
理論化したでしょう。いかんせん擬態化した彼らには、
● 分析は不可能なことです。時代に素直に従うなら、アジアで行っているように、すべては
自分のものだとごり押しして武力で奪うのが、その本来の武人的生き方でしょう。
● 東は武人的に、西は資本主義的に推し進める中共は、まさに自らの主要矛盾を国外に表して
最後は、主要矛盾で分裂が起こる可能性があります。言い換えれば、
武家の商法で失敗は既定の未来ということです。
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成29年(2017)5月25日(木曜日)
通算第5304号
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英国テロ、欧州は厳戒態勢、渡航注意勧告。そして、フィリピンに戒厳令
テロ大国パキスタンでは、また中国人ふたり誘拐
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パキスタンのバロチスタン地方は、民族も言語も異なり、独立運動が燃えさかる。北隣はアフガニスタンで、タリバンが往々にして逃げ込む先が、このバロチスタン地方でもある。
州都はクエッタ。中国がパキスタンと推進する世紀のプロジェクト(パキスタンにとって)、一帯一路のパキスタン版「CPEC」の中心拠点である。
CPECとは中国パキスタン経済回廊の略。
5月24日、真昼。クエッタの語学センターからでてきた中国人教師ふたりが武装グループに車で誘拐された。
もう一人もセンター付近で誘拐されそうになった。身代金を狙う中国人誘拐事件としてCCTV(中国中央電視台)が大々的に報じた。
CPECは総額550億ドルという天文学的巨額を投下してグアダール港から、パキスタンを斜めに横切り、中国の新彊ウィグル自治区カシュガルまで、鉄道、ハイウエィ、パイプラインの三つを同時に敷設し、付随して光ファイバー網を建設するという習近平の政治生命をかけた取り組みであり、北京で一帯一路国際フォーラムを開催して二週間後の事件だから、すっかり習近平の顔に泥を塗られた形となった。
巨額の商談に群がるパキスタン政府は中国と協力関係にあるため、語学センターに通って中国語を学ぼうとする人が増えた。
クエッタでは中国語熱が盛んだといわれてきた。その象徴が語学教師であり、これを誘拐するという行為は、中国に対しての挑戦である。
すでに中国人に対するテロ事件はバロチスタンで頻発しており、2004年には中国人エンジニアふたりが誘拐され、ひとりは殺害された。
2015年には中国人観光客が誘拐され、タリバンと交渉の結果、一年後に身代金を支払った釈放された。
こうした治安環境の悪化のため、中国人労働者は現場でも隔離された場所に収容され、その周辺ならびに工事現場の沿線をパキスタン軍兵士が警護するというへんてこな構造になっている。
▼バロチスタンはもともと独立国家だった
さてパロチスタンは何故治安が悪いのかと言えば、パキスタンへの帰属に不満があるからだ。
歴史的に見れば、この地方は「カラート藩国」である。カラート藩国は1639年に成立し、1876年に英国の支配を受けた。英国の密約によりパキスタン軍が1948年に侵攻し、併呑した経緯がある。
バローチ人が関与しないところで勝手に決められた領土策定の密約は、中東地図を一方的に線引きしてイラク、ヨルダン、シリア国境などを策定し、パレスチナにユダヤ人国家の建設も示唆し、密約した「マクマホン書簡」、バルフォア宣言」、そして「サイクスピコ協定」のようなものだった。
サイクスピコ協定は1916年に英国、仏蘭西、露西亜が結んだ密約で、オスマン・トルコ帝国の解体以後の地図の策定だった。
これは英国お得意の二枚舌、三枚舌外交の典型であり、結局は力のある勢力が勝つのだ。
バロチスタンは、「バローチ人の国」という意味であり、ハザラ人、ペルシャ人、パシュトン族が混在しており、言語も独自の言葉のほか、ウルドウ語、ペルシア語が通じる地域が点在する。
ソ連がアフガニスタン侵攻のおり、背後を突く地勢を利用して、バロチスタンを支援した。
パキスタン軍の情報部やタリバン、アルカィーダの裏の結び付きは、このクエッタが中心とも言われる。
近年は、国際力学から、中国に対応し、パキスタンに敵対するインドの陰謀という説も広く流布している。実際にクエッタではモディ(印度首相)の人形とインド国家を焼く、反インド暴動が起きている。
これもまた、パキスタンの反中感情をすり替えるため中国が背後でやらせたという説もあるから、陰謀論の拡大ドミノだ。
パキスタンは、このバロチスタンで1998年に核実験を強行し、米軍の偵察機が上空のサンプルを収集した結果、北朝鮮と同様なミサイルや核施設が使われ、プルトニウムを検出するに至った。
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● 2030年台、世界の秩序は崩壊して、第三次内戦型世界大戦へと突入、さらに
2046年~2059年、先進先輩西欧資本主義が崩壊、世界は戦国時代へと
進むのです。特にイスラム回廊はまだ混乱は収まらず、
● 今から君主の時代造りをしようとしているのです。テロはその表れです。テロを
抑えて、一帯一路を造りきれるのか中共? まさに中共の力が試される時です。
● 英米がグローバリゼーションの名のもとに世界を支配できたのは、各国の資本主義者の
富裕者同士の思惑が一致したからです。つまり世界市場を必要とした富裕者は、
最後は協力して、世界市場を造る必要があったからです。
● しかし君主の国造りをするイスラムには、資本主義的世界市場は必要ありません。
必要なのは、ピラミッド型の身分制度に似た、安定した国内造りが
最大のテーゼです。
● 更に擬態資本主義となり、資本主義国の真似をして、一帯一路に投資をするとは、
初めから主要矛盾が露呈しています。毛沢東が生きていたなら、その矛盾を
理論化したでしょう。いかんせん擬態化した彼らには、
● 分析は不可能なことです。時代に素直に従うなら、アジアで行っているように、すべては
自分のものだとごり押しして武力で奪うのが、その本来の武人的生き方でしょう。
● 東は武人的に、西は資本主義的に推し進める中共は、まさに自らの主要矛盾を国外に表して
最後は、主要矛盾で分裂が起こる可能性があります。言い換えれば、
武家の商法で失敗は既定の未来ということです。