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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成29年(2017)2月20日(月曜日)弐
通算第5194号
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「中央アジアの北朝鮮」と言われるトルクメニスタンで
97%の得票率でベルディムハマドフ大統領が三選
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2月12日に行われたトルクメニスタンの大統領選挙は、97%という得票率で、現職ベルディムハマドフ大統領が三選された。同時に大統領の任期は五年から七年に延長された。
ベルディムハマドフ大統領は元歯科医。医学大学の学長からニヤゾフ前大統領の急死をうけて臨時大統領に。そのまま権力のトップに居座った。ニヤゾフ大統領の庶子と言われる所以である。
トルクメニスタンは鎖国をしている不思議の国、全土に金ぴかの大統領像を建立し、街を睥睨しているが、銅像を破壊する動きもなく、やっぱり「中央アジアの北朝鮮」と呼ばれても、そうなんだと納得できる。
葡萄と果物が意外に豊かで、国民生活は貧窮していない。
豊富なガスがでるので、中国へ累計8000キロのパイプラインを敷設して、およそ生産の80%、残りをロシアとイランへ輸出し、将来はアフガニスタン経由でインドとパキスタンの港から、世界市場を狙う。
旧ソビエト連邦の一員だが、独立後、永世中立国を宣言し、国連に認められた。
それ以後、ロシアの言うことをまったく聞かない独自外交と国内的には独裁政治を展開したため、つむじを曲げたプーチン大統領は、トルクメニスタンからガスを買うことを止めた。
その余量が中国へ向かうというわけだ。
財政が豊かなので、国民の不満がなく、砂漠の酋長は、選挙ではなく村長が撰んできたのであり、投票箱民主主義システムは単にジェスチャーだけ。
一応、大統領選挙は九人の候補が揃ったが、テレビを独占している与党は、悠然としていた
昨秋、筆者はトルクメニスタンに団体ツアーに紛れ込んで、各地を見てきたが、首都は摩天楼が林立しているのに居住民が殆ど居ない。ゴーストタウンだった。大理石の建物なので、美しい外見である。国民は、政治が何を行っているのか殆ど興味がない。
テレビの報道番組を見ていて笑ったのは延々と閣議の模様を放送しているが、大統領と視線を合わせないように、閣僚がメモを懸命に取っていて、どこかの国と似ていると思った(拙著『日本が全体主義に陥る日』(ビジネス社)を参照)。
バザールに行っても売店には新聞がなく、絵本がちらほら。文房具の質が悪いうえ、中国製だった。それなのに、国民の多くはスマホを駆使していた。
ますます不思議の国である。
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● 典型的な、賢者の国・知恵者の国である。武人の時代・軍国時代・戦国時代・
=共産主義時代の次の時代である。ロシアを含めた旧ソ連の国々は
全て同様でしょう。北朝鮮とはまるで異なります。
● 日本の江戸時代と同様、鎖国と国内への内向きと安寧を求める、知恵者の国に
ピッタシです。ロシアも基本的には同じですから、共産主義と異なり、
他国への侵略は興味のない国ということです。
● 皮肉を言えば、自分さえよければ良く、興味は自分の安寧と精神世界ということでしょう。
従って、旧ソ連と同様の脅威の国ではないし、ロシア同様に基本は内向きの国です。
いつも書いているように、ロシアが脅威との分析は世界の現支配層の誤りです。
● 逆に武人の時代・軍国主義・戦国時代は他国への野心が公然と出る時代ですから、
相手のすきを見て、襲い掛かるのが、武人の本懐です。それは旧ソ連が
そうであり、今の中共が同様の武人の国です。従って油断は大敵です。
● そういう意味では、USA・大西洋先進資本主義も30年後には武人の時代となるのですから、
逆に彼らが危険な国々となるのです。中国の清朝末期のように、国の乱れと
排外主義と麻薬と暴力がまん延する時代へと移るのです。
● その典型が今のトランプ大統領ということです。排外主義と独裁と暴力が基本の
武人時代の先取りです。まだ完全には武人時代には入っていませんから、
左右の対決は暴力を伴いながらの、段々と混乱へと移り行くのです。
● 従って今後の日本は、USAが日本を襲ってきても対処ができる国づくりが必要になります。
具体的には、資源の安定的購入ができるような国々との交流、
核を含めての軍事力の強化が必要です。
● そういう言う観点から見れば、自ずから戦略は見えるはずです。トルクメニスタンは
いくら豊かでも、資本主義的民主主義の国にはなりません。少なくとも後240年間は。
● 豊かになれば自由と民主主義の国になると妄想を持つ左翼や、USAの民主党などは
現実を見ても分からない民主主義原理主義者ですから、
政策や戦略を間違えるのです。
● 書生の理想にそって世界が動くものでもないし、人類は10万年の歴史が、その本質を
示しているのです。脳の大きさとホモサピエンスという人類の本質は
変わってはいないのです。むしろ脳は1割縮んでいるのです。
● 従って、やがて来る世界戦国時代は必然なのです。
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成29年(2017)2月20日(月曜日)弐
通算第5194号
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「中央アジアの北朝鮮」と言われるトルクメニスタンで
97%の得票率でベルディムハマドフ大統領が三選
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2月12日に行われたトルクメニスタンの大統領選挙は、97%という得票率で、現職ベルディムハマドフ大統領が三選された。同時に大統領の任期は五年から七年に延長された。
ベルディムハマドフ大統領は元歯科医。医学大学の学長からニヤゾフ前大統領の急死をうけて臨時大統領に。そのまま権力のトップに居座った。ニヤゾフ大統領の庶子と言われる所以である。
トルクメニスタンは鎖国をしている不思議の国、全土に金ぴかの大統領像を建立し、街を睥睨しているが、銅像を破壊する動きもなく、やっぱり「中央アジアの北朝鮮」と呼ばれても、そうなんだと納得できる。
葡萄と果物が意外に豊かで、国民生活は貧窮していない。
豊富なガスがでるので、中国へ累計8000キロのパイプラインを敷設して、およそ生産の80%、残りをロシアとイランへ輸出し、将来はアフガニスタン経由でインドとパキスタンの港から、世界市場を狙う。
旧ソビエト連邦の一員だが、独立後、永世中立国を宣言し、国連に認められた。
それ以後、ロシアの言うことをまったく聞かない独自外交と国内的には独裁政治を展開したため、つむじを曲げたプーチン大統領は、トルクメニスタンからガスを買うことを止めた。
その余量が中国へ向かうというわけだ。
財政が豊かなので、国民の不満がなく、砂漠の酋長は、選挙ではなく村長が撰んできたのであり、投票箱民主主義システムは単にジェスチャーだけ。
一応、大統領選挙は九人の候補が揃ったが、テレビを独占している与党は、悠然としていた
昨秋、筆者はトルクメニスタンに団体ツアーに紛れ込んで、各地を見てきたが、首都は摩天楼が林立しているのに居住民が殆ど居ない。ゴーストタウンだった。大理石の建物なので、美しい外見である。国民は、政治が何を行っているのか殆ど興味がない。
テレビの報道番組を見ていて笑ったのは延々と閣議の模様を放送しているが、大統領と視線を合わせないように、閣僚がメモを懸命に取っていて、どこかの国と似ていると思った(拙著『日本が全体主義に陥る日』(ビジネス社)を参照)。
バザールに行っても売店には新聞がなく、絵本がちらほら。文房具の質が悪いうえ、中国製だった。それなのに、国民の多くはスマホを駆使していた。
ますます不思議の国である。
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● 典型的な、賢者の国・知恵者の国である。武人の時代・軍国時代・戦国時代・
=共産主義時代の次の時代である。ロシアを含めた旧ソ連の国々は
全て同様でしょう。北朝鮮とはまるで異なります。
● 日本の江戸時代と同様、鎖国と国内への内向きと安寧を求める、知恵者の国に
ピッタシです。ロシアも基本的には同じですから、共産主義と異なり、
他国への侵略は興味のない国ということです。
● 皮肉を言えば、自分さえよければ良く、興味は自分の安寧と精神世界ということでしょう。
従って、旧ソ連と同様の脅威の国ではないし、ロシア同様に基本は内向きの国です。
いつも書いているように、ロシアが脅威との分析は世界の現支配層の誤りです。
● 逆に武人の時代・軍国主義・戦国時代は他国への野心が公然と出る時代ですから、
相手のすきを見て、襲い掛かるのが、武人の本懐です。それは旧ソ連が
そうであり、今の中共が同様の武人の国です。従って油断は大敵です。
● そういう意味では、USA・大西洋先進資本主義も30年後には武人の時代となるのですから、
逆に彼らが危険な国々となるのです。中国の清朝末期のように、国の乱れと
排外主義と麻薬と暴力がまん延する時代へと移るのです。
● その典型が今のトランプ大統領ということです。排外主義と独裁と暴力が基本の
武人時代の先取りです。まだ完全には武人時代には入っていませんから、
左右の対決は暴力を伴いながらの、段々と混乱へと移り行くのです。
● 従って今後の日本は、USAが日本を襲ってきても対処ができる国づくりが必要になります。
具体的には、資源の安定的購入ができるような国々との交流、
核を含めての軍事力の強化が必要です。
● そういう言う観点から見れば、自ずから戦略は見えるはずです。トルクメニスタンは
いくら豊かでも、資本主義的民主主義の国にはなりません。少なくとも後240年間は。
● 豊かになれば自由と民主主義の国になると妄想を持つ左翼や、USAの民主党などは
現実を見ても分からない民主主義原理主義者ですから、
政策や戦略を間違えるのです。
● 書生の理想にそって世界が動くものでもないし、人類は10万年の歴史が、その本質を
示しているのです。脳の大きさとホモサピエンスという人類の本質は
変わってはいないのです。むしろ脳は1割縮んでいるのです。
● 従って、やがて来る世界戦国時代は必然なのです。