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少数民族ロヒンギャ問題、スー・チー政権に打撃
2016/12/16 6:30
日本経済新聞 電子版
ミャンマー
ミャンマー西部ラカイン州でイスラム系少数民族ロヒンギャに対する人権侵害問題が深刻さを増している。過激派掃討を口実とする国軍の軍事行動で、多くが隣国バングラデシュに逃れ、兵士による住民の虐殺も報告されている。
国際社会の批判は、国軍を統制できないアウン・サン・スー・チー国家顧問に集中し、その政権基盤を大きく揺るがしかねない事態に発展している。
バングラデシュ東部のコックス・バザール。ベンガル湾岸屈指のビーチリゾート周辺は、10月以降、ヘジャブ(スカーフ)やイスラム帽をかぶったロヒンギャ難民に埋め尽くされている。国境を接するミャンマーから逃れてきた彼らの大半は、家財も持たず、着のみ着のまま。その表情はいずれも、恐怖に凍り付いている。国際移住機関(IOM)は6日、ミャンマーからバングラデシュに流入した難民が2万人を超えたと発表した。
■ 国軍によるジェノサイドの疑い
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ミャンマーのロヒンギャ迫害に抗議するマレーシアのナジブ首相ら(4日、クアラルンプール)=AP
19世紀までにバングラデシュ周辺から移住したイスラム教徒の子孫とされるロヒンギャ。ラカイン州には約80万人が住む。仏教徒が圧倒的多数を占めるミャンマーではイスラム教徒の増加に対する警戒感は根強いが、
1982年、当時の社会主義政権が国籍法を制定しロヒンギャの市民権を剥奪すると、不法移民と見なされるようになったロヒンギャは激しい差別にさらされるようになる。2012年、ラカイン州でロヒンギャによる仏教徒女性の暴行殺害事件をきっかけに大規模衝突が発生し、200人以上が死亡すると、政府は10万人超のロヒンギャを難民キャンプに隔離。劣悪な環境に絶えかね、小舟で周辺国に逃れるロヒンギャが続出した。
だが今、ロヒンギャの人権は国籍法制定以降、最悪の状況にある。国軍による「ジェノサイド(組織的虐殺)」が強く疑われているためだ。その発端となったのは10月9日、ラカイン州北部の警察署を正体不明の武装集団が襲撃し、警官9人が死亡した事件だ。ミャンマー政府は14日、イスラム過激派や反政府勢力「ロヒンギャ団結機構(RSO)」に支援されたテロ組織による犯行と発表。国民の不安をあおりつつ、ラカイン州の治安回復を名目とする、大規模掃討作戦に乗り出した。
その攻撃は熾烈(しれつ)を極め、パチンコしか持たないロヒンギャに重火器が使用され、空爆が行われたとの報道もある。犯行グループとの関係を名指しされた「RSO」なども、沿革は不明な点が多く、差別に不満を募らせたロヒンギャによる突発的暴動との見方の方が強い。いずれにしても国軍の掃討作戦の過程で70人以上が死亡。巻き添えを恐れる一般住民も国境に殺到した。
その後、バングラデシュに逃れたロヒンギャが国際非政府組織(NGO)などに、国軍兵士による組織的殺害や集団レイプを証言するようになる。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の現地担当者はラカイン州の現状を「民族浄化」と指摘。国連も「ミャンマー政府にこれ以上任せることはできない」(パワー米国連大使)として、第三者機関による調査を要求した。
■周囲のイスラム諸国は激憤
だがミャンマー政府は疑惑を真っ向から否定する。その先頭に立ったのはスー・チー氏だ。国連による批判の直後、欧米諸国の外交団を首都ネピドーに呼び、「虚偽の情報に基づく不当な批判」に強く抗議。2日には、訪問先のシンガポールで地元メディアに「報道は誇張されており、実態をより悪く伝えている」と発言した。
野党党首時代から、多数派仏教徒の反発が強いロヒンギャ問題に対する言及を避けてきたスー・チー氏だが、3月末、自身が主導する政権が発足して以後、長く敵対してきた国軍との協調を進める「国民和解」を掲げたこともあって、
ロヒンギャ問題では国軍の主張を全面的に支持。大量の難民の発生には沈黙を保つ。新政権が発足して間もない今、内政の安定を重視しようとする現実主義的な判断が根底にあるが、
「譲歩を重ねつづけた結果、完全に国軍に取り込まれた」(地元メディア)との評価につながっている。
このようなスー・チー氏の対応は周囲のイスラム諸国の憤激を呼び起こしている。マレーシア・クアラルンプールでは4日、ナジブ首相も参加してミャンマー政府の対応に抗議する集会が開かれ、参加者は「ミャンマーを東南アジア諸国連合(ASEAN)から追放しろ」、「スー・チーはノーベル平和賞を返上しろ」とシュプレヒコールを挙げた。世界最大のイスラム人口を抱えるインドネシアでも大規模抗議集会が発生。イスラム国(IS)を支持するグループによる、ミャンマー大使館の攻撃計画も明らかになり、スー・チー氏は当初、12月に予定していたインドネシア訪問を中止せざるをえなくなった。
■ロヒンギャ問題、避けてきたスーチー氏
高まる批判をかわすため、スー・チー氏は2~4日、アナン国連前事務総長をトップとする政府の特別諮問委員会のメンバーをラカイン州に派遣し、現地調査を依頼。6日、ヤンゴンで記者会見したアナン氏は「現在衝突はなく、放火なども確認されない」と述べ、ジェノサイドに対する疑惑についても「法的評価が必要だ」と政府よりの発言を繰り返した。諮問委は2カ月以内に報告書をまとめる予定だが、情報収集にミャンマー政府が全面協力した調査は中立性に疑問ももたれる。
国際社会とのあつれきはスー・チー氏の政権運営にとって大きな打撃だ。軍事政権時代、スー・チー氏はノーベル平和賞受賞者としての知名度を生かし、主要国に軍政への経済制裁を呼びかけ、そのことが11年の民政移管と、自身が主導する国民民主党(NLD)政権の発足に結びついた。その国際社会を動員する影響力は、国軍をけん制し、国内の政治基盤を固めるテコとなっていた。だが国際社会での評価が損なわれつつある今、スー・チー氏の求心力は国内でも低下し、国軍に対する統制をますます失わせる悪循環に陥りつつある。ロヒンギャの悲劇から距離を置き、自身に火の粉がふりかかることを避けてきたスー・チー氏。だがその「現実路線」は今、限界に直面している。(ヤンゴン=松井基一)
→Nikkei Asian Reviewに掲載の英文はこちら
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● 毎度書いているように、ミャンマーも武人時代(武力独裁政権≒中共、朝鮮、
ベトナム、タイ、インドネシア等と同じ)ですから、基本的には
民主主義は出来ないと書きました。まさにその通りです。
● 以前に擬態民主主義の話をしましたが、ミャンマーもスーチーという羊の皮を
かぶりながら、擬態民主主義で利益を得ようというのでしょう。
● つまり、西欧・日本の資本主義的民主主義が強く、国際社会をリードしている
間は、民主主義の衣をかぶり、非難をかわし、国際社会=民主主義国の
制裁をかわしてるのです。その為にスーチーは最高の存在です。
● その化けの皮は,直ちに剥げました。スーチーも自らの矛盾のを隠すために、
虐殺を見て見ぬふりしてきたのです。それなら、彼女の政権はむしろ
少数派からは邪悪な存在となります。
● むしろ、軍事政権に政権を渡して、直接国際社会が軍人政権に圧力をかけることが
できるようにした方が、話は早いかもしれません。
● 中共は社会主義市場経済とかのわけの分からない制度で、西側を見事にだまし、
韓国も大統領制に選挙を取り入れましたが、権力を失った元大統領の
悲惨さが、すべてを=擬態武人時代を物語ります。
● つまり、負け犬は一族郎党すべて打ち首”という掟に従った武人時代の
仕打ちです。北朝鮮は全く擬態しなくても生きています。
● ベトナムは中共に虐められているかわいそうな小国、そして祖国を守るためにUSAを
負かし中共とも戦う勇敢な国というイメージがまだまだ、良いイメージを
残しています。当分はそれで食っていけるでしょう。
● タイは西側と同じと錯覚されていましたが、最後の最後で化けの皮がはがれました。
南国の大らかさが、まだまだ効いていますから、うまく立ち回れる余地はあります。
● 弱いものは、動物界でもそうですが、生きるためには擬態でもなんでもします。
相手が手出しできないように、ヤマアラシのようにトゲで武装しているのが、
北朝鮮ともいえます。
● スーチーは自らの野心のためには、国を治めているとの錯覚が必要なのでしょう。
● このように時代に背く政権は、最後はすべて化けの皮が剝がれるのです。
良いか悪いかの価値判断はそこには入り込む余地もないのです。
● 何しろ、やがてUSA・西欧先進資本主義国が崩壊して、混乱と武人の時代へと
突入・世界は戦国時代へと突入して、優秀な人類の遺伝子を残すべく
大虐殺の時代へと突入するのです。
● 少数派も自らの力で自らを守らなくては、生きていけない時代へとなるのです。
むしろ、ロヒンギャの悲劇は将来の方向を示しているのです。
少数民族ロヒンギャ問題、スー・チー政権に打撃
2016/12/16 6:30
日本経済新聞 電子版
ミャンマー
ミャンマー西部ラカイン州でイスラム系少数民族ロヒンギャに対する人権侵害問題が深刻さを増している。過激派掃討を口実とする国軍の軍事行動で、多くが隣国バングラデシュに逃れ、兵士による住民の虐殺も報告されている。
国際社会の批判は、国軍を統制できないアウン・サン・スー・チー国家顧問に集中し、その政権基盤を大きく揺るがしかねない事態に発展している。
バングラデシュ東部のコックス・バザール。ベンガル湾岸屈指のビーチリゾート周辺は、10月以降、ヘジャブ(スカーフ)やイスラム帽をかぶったロヒンギャ難民に埋め尽くされている。国境を接するミャンマーから逃れてきた彼らの大半は、家財も持たず、着のみ着のまま。その表情はいずれも、恐怖に凍り付いている。国際移住機関(IOM)は6日、ミャンマーからバングラデシュに流入した難民が2万人を超えたと発表した。
■ 国軍によるジェノサイドの疑い
画像の拡大
ミャンマーのロヒンギャ迫害に抗議するマレーシアのナジブ首相ら(4日、クアラルンプール)=AP
19世紀までにバングラデシュ周辺から移住したイスラム教徒の子孫とされるロヒンギャ。ラカイン州には約80万人が住む。仏教徒が圧倒的多数を占めるミャンマーではイスラム教徒の増加に対する警戒感は根強いが、
1982年、当時の社会主義政権が国籍法を制定しロヒンギャの市民権を剥奪すると、不法移民と見なされるようになったロヒンギャは激しい差別にさらされるようになる。2012年、ラカイン州でロヒンギャによる仏教徒女性の暴行殺害事件をきっかけに大規模衝突が発生し、200人以上が死亡すると、政府は10万人超のロヒンギャを難民キャンプに隔離。劣悪な環境に絶えかね、小舟で周辺国に逃れるロヒンギャが続出した。
だが今、ロヒンギャの人権は国籍法制定以降、最悪の状況にある。国軍による「ジェノサイド(組織的虐殺)」が強く疑われているためだ。その発端となったのは10月9日、ラカイン州北部の警察署を正体不明の武装集団が襲撃し、警官9人が死亡した事件だ。ミャンマー政府は14日、イスラム過激派や反政府勢力「ロヒンギャ団結機構(RSO)」に支援されたテロ組織による犯行と発表。国民の不安をあおりつつ、ラカイン州の治安回復を名目とする、大規模掃討作戦に乗り出した。
その攻撃は熾烈(しれつ)を極め、パチンコしか持たないロヒンギャに重火器が使用され、空爆が行われたとの報道もある。犯行グループとの関係を名指しされた「RSO」なども、沿革は不明な点が多く、差別に不満を募らせたロヒンギャによる突発的暴動との見方の方が強い。いずれにしても国軍の掃討作戦の過程で70人以上が死亡。巻き添えを恐れる一般住民も国境に殺到した。
その後、バングラデシュに逃れたロヒンギャが国際非政府組織(NGO)などに、国軍兵士による組織的殺害や集団レイプを証言するようになる。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の現地担当者はラカイン州の現状を「民族浄化」と指摘。国連も「ミャンマー政府にこれ以上任せることはできない」(パワー米国連大使)として、第三者機関による調査を要求した。
■周囲のイスラム諸国は激憤
だがミャンマー政府は疑惑を真っ向から否定する。その先頭に立ったのはスー・チー氏だ。国連による批判の直後、欧米諸国の外交団を首都ネピドーに呼び、「虚偽の情報に基づく不当な批判」に強く抗議。2日には、訪問先のシンガポールで地元メディアに「報道は誇張されており、実態をより悪く伝えている」と発言した。
野党党首時代から、多数派仏教徒の反発が強いロヒンギャ問題に対する言及を避けてきたスー・チー氏だが、3月末、自身が主導する政権が発足して以後、長く敵対してきた国軍との協調を進める「国民和解」を掲げたこともあって、
ロヒンギャ問題では国軍の主張を全面的に支持。大量の難民の発生には沈黙を保つ。新政権が発足して間もない今、内政の安定を重視しようとする現実主義的な判断が根底にあるが、
「譲歩を重ねつづけた結果、完全に国軍に取り込まれた」(地元メディア)との評価につながっている。
このようなスー・チー氏の対応は周囲のイスラム諸国の憤激を呼び起こしている。マレーシア・クアラルンプールでは4日、ナジブ首相も参加してミャンマー政府の対応に抗議する集会が開かれ、参加者は「ミャンマーを東南アジア諸国連合(ASEAN)から追放しろ」、「スー・チーはノーベル平和賞を返上しろ」とシュプレヒコールを挙げた。世界最大のイスラム人口を抱えるインドネシアでも大規模抗議集会が発生。イスラム国(IS)を支持するグループによる、ミャンマー大使館の攻撃計画も明らかになり、スー・チー氏は当初、12月に予定していたインドネシア訪問を中止せざるをえなくなった。
■ロヒンギャ問題、避けてきたスーチー氏
高まる批判をかわすため、スー・チー氏は2~4日、アナン国連前事務総長をトップとする政府の特別諮問委員会のメンバーをラカイン州に派遣し、現地調査を依頼。6日、ヤンゴンで記者会見したアナン氏は「現在衝突はなく、放火なども確認されない」と述べ、ジェノサイドに対する疑惑についても「法的評価が必要だ」と政府よりの発言を繰り返した。諮問委は2カ月以内に報告書をまとめる予定だが、情報収集にミャンマー政府が全面協力した調査は中立性に疑問ももたれる。
国際社会とのあつれきはスー・チー氏の政権運営にとって大きな打撃だ。軍事政権時代、スー・チー氏はノーベル平和賞受賞者としての知名度を生かし、主要国に軍政への経済制裁を呼びかけ、そのことが11年の民政移管と、自身が主導する国民民主党(NLD)政権の発足に結びついた。その国際社会を動員する影響力は、国軍をけん制し、国内の政治基盤を固めるテコとなっていた。だが国際社会での評価が損なわれつつある今、スー・チー氏の求心力は国内でも低下し、国軍に対する統制をますます失わせる悪循環に陥りつつある。ロヒンギャの悲劇から距離を置き、自身に火の粉がふりかかることを避けてきたスー・チー氏。だがその「現実路線」は今、限界に直面している。(ヤンゴン=松井基一)
→Nikkei Asian Reviewに掲載の英文はこちら
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● 毎度書いているように、ミャンマーも武人時代(武力独裁政権≒中共、朝鮮、
ベトナム、タイ、インドネシア等と同じ)ですから、基本的には
民主主義は出来ないと書きました。まさにその通りです。
● 以前に擬態民主主義の話をしましたが、ミャンマーもスーチーという羊の皮を
かぶりながら、擬態民主主義で利益を得ようというのでしょう。
● つまり、西欧・日本の資本主義的民主主義が強く、国際社会をリードしている
間は、民主主義の衣をかぶり、非難をかわし、国際社会=民主主義国の
制裁をかわしてるのです。その為にスーチーは最高の存在です。
● その化けの皮は,直ちに剥げました。スーチーも自らの矛盾のを隠すために、
虐殺を見て見ぬふりしてきたのです。それなら、彼女の政権はむしろ
少数派からは邪悪な存在となります。
● むしろ、軍事政権に政権を渡して、直接国際社会が軍人政権に圧力をかけることが
できるようにした方が、話は早いかもしれません。
● 中共は社会主義市場経済とかのわけの分からない制度で、西側を見事にだまし、
韓国も大統領制に選挙を取り入れましたが、権力を失った元大統領の
悲惨さが、すべてを=擬態武人時代を物語ります。
● つまり、負け犬は一族郎党すべて打ち首”という掟に従った武人時代の
仕打ちです。北朝鮮は全く擬態しなくても生きています。
● ベトナムは中共に虐められているかわいそうな小国、そして祖国を守るためにUSAを
負かし中共とも戦う勇敢な国というイメージがまだまだ、良いイメージを
残しています。当分はそれで食っていけるでしょう。
● タイは西側と同じと錯覚されていましたが、最後の最後で化けの皮がはがれました。
南国の大らかさが、まだまだ効いていますから、うまく立ち回れる余地はあります。
● 弱いものは、動物界でもそうですが、生きるためには擬態でもなんでもします。
相手が手出しできないように、ヤマアラシのようにトゲで武装しているのが、
北朝鮮ともいえます。
● スーチーは自らの野心のためには、国を治めているとの錯覚が必要なのでしょう。
● このように時代に背く政権は、最後はすべて化けの皮が剝がれるのです。
良いか悪いかの価値判断はそこには入り込む余地もないのです。
● 何しろ、やがてUSA・西欧先進資本主義国が崩壊して、混乱と武人の時代へと
突入・世界は戦国時代へと突入して、優秀な人類の遺伝子を残すべく
大虐殺の時代へと突入するのです。
● 少数派も自らの力で自らを守らなくては、生きていけない時代へとなるのです。
むしろ、ロヒンギャの悲劇は将来の方向を示しているのです。