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中国軍部を抑えきれない習近平に米国激怒。オバマが次に放つ一手とは
2016年4月6日 95
対外的に強硬姿勢をとる軍部と、融和姿勢の政府。中国ではこの両者を統制するために、習近平氏への権力の集中が必要とのことですが、その独裁体制の確立が危ぶまれる状況にある、と語るのはメルマガ『国際戦略コラム有料版』の著者・津田慶治さん。津田さんは、その原因となる行動を起こしたある人物の「実名」を挙げるとともに、中国の政治的なもろさにより引き起こされる経済的なリスクが全世界に及ぼす影響、そして統制がとれなくなった軍部に周辺国はどう対応すべきかについて論じています。
中国の混乱はだれが起こしたか?
中国の習近平独裁体制確立が危ぶまれる状況になっている。しかし、この状況を作ったのは、誰なのかを考察する必要がある。
中国の動向
20年くらい新聞・雑誌を毎日読み、記事を保存・検索できる状態にしている。何か変わった事態が起こったら、関係する過去の記事を入念に読んで、なぜそうなったのかを考察するようにしている。
前回中国のコラムで、中国の政治体制は、軍部と政府が相互に干渉できないために、統一的な外交ができない。軍部は対外的には強硬な立場であり、政府は経済的な相互関係があるので、対外的には融和である。このため、両者の主張や行動は、外から見ると中国がバラバラで信用できないと見えてしまう。このため、両者を統制する必要がある。
しかし、両者を統制できるのは、党中央の総書記だけである。党中央政治局も軍事部門の行為をチェックできないようになっている。このため、中国が危機に直面すると、党総書記に権力を集めて、両者を統制しないといけないことになる。
このため、総書記に政治権力を集めるために、個人崇拝をするような方向に向かってしまうのであるが、権力を集めるために政治的には難しくなる。今まで、前総書記・胡錦涛時代には危機ではなかったので、党の民主化をして共産党員の比較的自由な発言を許容していたからだ。
中国が発展すると、その民主化を徐々に広げる方向であろうと、世界、特に米国のリーダーたちは見ていた。しかし、中国の現在進んでいる方向は、期待とは違い毛沢東の文革に近い、個人崇拝と党員でも自由な議論を取り締まる方向に舵を切ったように見える。
このため、中国国内の不満も高まり、諸外国も中国への期待を裏切られた為に不満、不安が高まっている。国内と国外の両方で不満があるということは、そこに工作の余地ができることになる。
それを米国は、2015年から始めていた。オバマ大統領は、国防総省の南シナ海での海軍艦船の航海を許さずに、政治工作をしていたようである。
王岐山の行動
中央規律検査委員会トップの王岐山は、中国では珍しい清廉潔白な人であり、その人物が中国の政治家たちを取り締まっているために、政治家や行政官が我慢できるか、海外に逃げ出しているのである。
この王岐山は、時々行方不明になっている。多くの場合は、省トップの汚職を摘発するするために、行動していると見えているが、米国などの要人と会っている可能性もあった。
王岐山が経済担当の副首相時代に、当時のヘンリー・ポールソン米財務長官と親友になり、そのポールソンを経由して、いろいろな情報を得ることが出来る。もう1つ、中国の経済的な発展をするためには親米的である必要を強く感じている。
2014年に習近平が団派の追い落としのために、胡錦濤・前国家主席の最側近である令計画を汚職で逮捕したが、令計画は、習近平など党要人の不正蓄財や情事に関する情報を集めていた。その情報を義弟、完成氏に預けて、もしものことがあったら米国に逃亡して情報を米国政府に渡すように指示していた。
このため、米国政府は習近平の汚職情報を持っている。この情報を返還してもらう交渉を習近平は王岐山に指示して、王岐山はポールソンを交渉窓口にして、米政府に完成氏の中国への引渡しと情報の返還を求めた。
王岐山の反乱
王岐山も危機的な状況での総書記への権力集中を了解していたが、習近平は、個人崇拝のために、毛沢東の文化大革命と同じようなことをし始めて、共産党内の自由な議論も制限し始めた。
自分の親友である任志強が、「人民の政府はいつ党の政府になった?」「すべてのメディアの姓が党になって人民の利益を代表しないようになったら、人民は忘れ去られて片隅においやられるんだ!」といった批判をネットの微博上でつぶやいた。
これに対して、中国の大手ネットメディアらは「任志強は西側憲政民主の拡声器だ」「任志強は民衆の代弁者のふりをして、民衆の反党反政府の憤怒の情緒を扇動している」などとバッシングを開始した。これは、あたかも、文革のつるし上げの様相であった。
王岐山は2月28日、汚職Gメンこと中央規律検査委員会巡視隊を中央宣伝部に派遣し突然の「ガサ入れ」を行って、中央宣伝部およびメディアを黙らせるとともに、3月1日に中央規律検査委機関紙「中央規律検査監察報」上に「1,000人が唯々諾々と語るより1人の士の諤々とした発言の方がまさる(千人之諾々、不如一士之諤々)」と題した原稿を発表させた。1人の士とは、任志強である。
とうとう、王岐山まで習近平に反乱したことを見て、習近平批判をして投獄された著名ジャーナリストでコラムニストの賈葭氏(35)も釈放されたのである。
王岐山は、全人代でも習近平に気安く声をかけていたが、王岐山は習近平の汚職情報を持ち、いつでも習近平を刺すことができるようである。
このように、王岐山の反乱で、習近平の権力集中は失敗したのである。
中央軍事紀律検査委員会書記(中央軍事委副主席兼務)のポストに親友の劉源を迎え、王岐山と同じような役割を期待したが、殺されると劉源は固辞して退役している。これにより、軍部も抑えることができない状態になっている。
今後の方向は
ということで、習近平は、軍部の意向を止めることができずに、米中首脳会談で「航行の自由を口実とした利益侵害は認めない」と、米中の懸案事項を述べている。米国は次の手を繰り出してくることになる。
経済的な面での不利益を中国に行うように感じる。高級ホテルの買収を中国企業が優位に進めていたが、それを米国政府は妨害している。太子党の子弟たちは国営企業にいるが、経済的には米国との関係が強いので、その不利益は太子党としても無視できないことになる。
中国経済は、不良資産、不良債権などが、ドンドン積み上がっている。この状況と政治的な不安定を見て、富裕層はカナダなどに移民を開始して、中国での有名人も米国に移民している。この富裕層たちが大量の資金を中国から持ち出している。資金流出は、この富裕層の失望から起こっているのである。
政治的なもろさが経済的なリスクになりつつある。サプライサイド経済学を推進すると政府は言うが、広範な産業構造転換を断行すれば、最終的に失業と社会不安をもたらすことになるのは避けられず、政権は確信を持って産業の改革を行う必要があるが、政治的な不安定で出来るかどうかわからない状態になった。
しかし、世界経済は中国の成長に依存している。中国の政治的な失敗は、株式市場の乱高下や通貨危機よりも破滅的な影響をもたらし得る。
特に、日本の近傍に中国があり、経済的相互関係も強いので、中国の経済的な失敗は、大きな悪影響を日本にもたらしてしまう。
もう1つが、中国の失敗が、地域の緊張を増す可能性もある。軍部が政府より上位になり、愛国心を高めるために、中国の力を見せるという行動に出る可能性も高い。
この軍部の行動を習近平は抑えられない。周辺諸国は、中国の経済的な失敗が軍事的な攻勢に置き換わる可能性と、米国の引きこもりが起きて、米国も助けてくれない事態を想定する必要が出ている。今後の政治家は、泣きたくなる状態を想定して政治を行うしかない。
さあ、どうなりますか?
image by: Flickr
『国際戦略コラム有料版』より一部抜粋
著者/津田慶治
国際的、国内的な動向をリアリスト(現実主義)の観点から、予測したり、評論したりする。読者の疑問点にもお答えする。日本文化を掘り下げて解析して、今後企業が海外に出て行くときの助けになることができればと思う。
/////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
● 中共の今後を予測するには、やはり基本的な分析が欠かせないでしょう。
● USA/大西洋ヨーロッパ資本主義は、旧ソ連の崩壊と中共の経済的開放政策
をみて、資本主義が勝った、歴史は終わった、豊かになればすべての国は
自由と民主主義の国≒資本主義国家になるのだと、傲慢になりました。
● この認識が間違っている事は、現実の世界を見ても分かります。時代の進歩=
自由と民主主義でもないし、豊かになれば民主主義国家になるという
幻想も豊かなサウジアラビア等の資源国を見ても分かります。
● 中共の主人公は誰であるかが、問題なのです。革命を起こして命を賭けて国を
とったのは、軍です。そうなのです、主人公は軍なのです。彼らを
無視しては、何事も行かないのは、武人の国の特徴です。
● 有力戦国武将≒地方軍閥を差し置いて、中央で誰かが話し合いで政治を決めるようなものです。
そもそもそんなことは、独裁武人国家では不可能です。軍を抑える事が出来る強力な
カリスマ≒毛沢東のような人のみが、全ての統制は出来るのです。
● 習近平はその毛沢東になりたかったのでしょう。しかし毛沢東の独裁は、閉鎖国家だから
できたことです。経済的に開かれている国家なら、いくらでも海外に逃げる事が
できますから、そもそも独裁は限界があります。
● しかしだからといって、膨大なお金と汚職共産党幹部が、海外に逃げるのを許すことは
何時までも、出来る事ではありません。一般国民の不満がそのうち限界に来るし、
経済が崩壊すれば、共産党や軍幹部に不満の限界がきます。
● 従って、資本主義でない以上、歴史の法則にしたがって、最後は軍部が登場と言うのは
当然でしょう。資本主義の経済構造の上に、独裁共産主義の上部構造が来ることは
それこそ、大矛盾です。毛沢東が墓場で嘆いているでしょう。
● マルクスの法則のイロハを知らずして、マルクスレーニン主義を掲げるのは、大矛盾です。
日本の共産党も、その大原則を知らずに、マルクスレーニン主義を名乗っていますが
そこが根本的に間違っているのです。
● 従って、長期的には、その矛盾を解消しなくてはいけません。つまり下部構造≒経済構造と
上部構造≒共産主義独裁体制を一致させなくては国は大混乱となります。
● 勿論最後は、本来の上部構造に下部構造を合わせるという事です。それがサーカー氏の社会循環論です。
270年=1体制の私の理論からは、中共はまだまだ独裁国家が続きます。誰が独裁を
するかは問題ではないのです。時代の体制が独裁を許すのです。
● 従って、もし混乱が長引けば、軍部が強力な独裁を行うのが時代の流れと言うものです。
それは何時か? やはりUSA/大西洋ヨーロッパが崩壊する時でしょう。
2029~2046年、時はもうすぐそこまで来ているのです。
● それをトランプ氏は語っているのです。やはり4度も破産をした人でないと、本当の危機の
到来を肌で感じる事は出来ないのでしょう。トランプ氏は時代が読めるのです。
中国軍部を抑えきれない習近平に米国激怒。オバマが次に放つ一手とは
2016年4月6日 95
対外的に強硬姿勢をとる軍部と、融和姿勢の政府。中国ではこの両者を統制するために、習近平氏への権力の集中が必要とのことですが、その独裁体制の確立が危ぶまれる状況にある、と語るのはメルマガ『国際戦略コラム有料版』の著者・津田慶治さん。津田さんは、その原因となる行動を起こしたある人物の「実名」を挙げるとともに、中国の政治的なもろさにより引き起こされる経済的なリスクが全世界に及ぼす影響、そして統制がとれなくなった軍部に周辺国はどう対応すべきかについて論じています。
中国の混乱はだれが起こしたか?
中国の習近平独裁体制確立が危ぶまれる状況になっている。しかし、この状況を作ったのは、誰なのかを考察する必要がある。
中国の動向
20年くらい新聞・雑誌を毎日読み、記事を保存・検索できる状態にしている。何か変わった事態が起こったら、関係する過去の記事を入念に読んで、なぜそうなったのかを考察するようにしている。
前回中国のコラムで、中国の政治体制は、軍部と政府が相互に干渉できないために、統一的な外交ができない。軍部は対外的には強硬な立場であり、政府は経済的な相互関係があるので、対外的には融和である。このため、両者の主張や行動は、外から見ると中国がバラバラで信用できないと見えてしまう。このため、両者を統制する必要がある。
しかし、両者を統制できるのは、党中央の総書記だけである。党中央政治局も軍事部門の行為をチェックできないようになっている。このため、中国が危機に直面すると、党総書記に権力を集めて、両者を統制しないといけないことになる。
このため、総書記に政治権力を集めるために、個人崇拝をするような方向に向かってしまうのであるが、権力を集めるために政治的には難しくなる。今まで、前総書記・胡錦涛時代には危機ではなかったので、党の民主化をして共産党員の比較的自由な発言を許容していたからだ。
中国が発展すると、その民主化を徐々に広げる方向であろうと、世界、特に米国のリーダーたちは見ていた。しかし、中国の現在進んでいる方向は、期待とは違い毛沢東の文革に近い、個人崇拝と党員でも自由な議論を取り締まる方向に舵を切ったように見える。
このため、中国国内の不満も高まり、諸外国も中国への期待を裏切られた為に不満、不安が高まっている。国内と国外の両方で不満があるということは、そこに工作の余地ができることになる。
それを米国は、2015年から始めていた。オバマ大統領は、国防総省の南シナ海での海軍艦船の航海を許さずに、政治工作をしていたようである。
王岐山の行動
中央規律検査委員会トップの王岐山は、中国では珍しい清廉潔白な人であり、その人物が中国の政治家たちを取り締まっているために、政治家や行政官が我慢できるか、海外に逃げ出しているのである。
この王岐山は、時々行方不明になっている。多くの場合は、省トップの汚職を摘発するするために、行動していると見えているが、米国などの要人と会っている可能性もあった。
王岐山が経済担当の副首相時代に、当時のヘンリー・ポールソン米財務長官と親友になり、そのポールソンを経由して、いろいろな情報を得ることが出来る。もう1つ、中国の経済的な発展をするためには親米的である必要を強く感じている。
2014年に習近平が団派の追い落としのために、胡錦濤・前国家主席の最側近である令計画を汚職で逮捕したが、令計画は、習近平など党要人の不正蓄財や情事に関する情報を集めていた。その情報を義弟、完成氏に預けて、もしものことがあったら米国に逃亡して情報を米国政府に渡すように指示していた。
このため、米国政府は習近平の汚職情報を持っている。この情報を返還してもらう交渉を習近平は王岐山に指示して、王岐山はポールソンを交渉窓口にして、米政府に完成氏の中国への引渡しと情報の返還を求めた。
王岐山の反乱
王岐山も危機的な状況での総書記への権力集中を了解していたが、習近平は、個人崇拝のために、毛沢東の文化大革命と同じようなことをし始めて、共産党内の自由な議論も制限し始めた。
自分の親友である任志強が、「人民の政府はいつ党の政府になった?」「すべてのメディアの姓が党になって人民の利益を代表しないようになったら、人民は忘れ去られて片隅においやられるんだ!」といった批判をネットの微博上でつぶやいた。
これに対して、中国の大手ネットメディアらは「任志強は西側憲政民主の拡声器だ」「任志強は民衆の代弁者のふりをして、民衆の反党反政府の憤怒の情緒を扇動している」などとバッシングを開始した。これは、あたかも、文革のつるし上げの様相であった。
王岐山は2月28日、汚職Gメンこと中央規律検査委員会巡視隊を中央宣伝部に派遣し突然の「ガサ入れ」を行って、中央宣伝部およびメディアを黙らせるとともに、3月1日に中央規律検査委機関紙「中央規律検査監察報」上に「1,000人が唯々諾々と語るより1人の士の諤々とした発言の方がまさる(千人之諾々、不如一士之諤々)」と題した原稿を発表させた。1人の士とは、任志強である。
とうとう、王岐山まで習近平に反乱したことを見て、習近平批判をして投獄された著名ジャーナリストでコラムニストの賈葭氏(35)も釈放されたのである。
王岐山は、全人代でも習近平に気安く声をかけていたが、王岐山は習近平の汚職情報を持ち、いつでも習近平を刺すことができるようである。
このように、王岐山の反乱で、習近平の権力集中は失敗したのである。
中央軍事紀律検査委員会書記(中央軍事委副主席兼務)のポストに親友の劉源を迎え、王岐山と同じような役割を期待したが、殺されると劉源は固辞して退役している。これにより、軍部も抑えることができない状態になっている。
今後の方向は
ということで、習近平は、軍部の意向を止めることができずに、米中首脳会談で「航行の自由を口実とした利益侵害は認めない」と、米中の懸案事項を述べている。米国は次の手を繰り出してくることになる。
経済的な面での不利益を中国に行うように感じる。高級ホテルの買収を中国企業が優位に進めていたが、それを米国政府は妨害している。太子党の子弟たちは国営企業にいるが、経済的には米国との関係が強いので、その不利益は太子党としても無視できないことになる。
中国経済は、不良資産、不良債権などが、ドンドン積み上がっている。この状況と政治的な不安定を見て、富裕層はカナダなどに移民を開始して、中国での有名人も米国に移民している。この富裕層たちが大量の資金を中国から持ち出している。資金流出は、この富裕層の失望から起こっているのである。
政治的なもろさが経済的なリスクになりつつある。サプライサイド経済学を推進すると政府は言うが、広範な産業構造転換を断行すれば、最終的に失業と社会不安をもたらすことになるのは避けられず、政権は確信を持って産業の改革を行う必要があるが、政治的な不安定で出来るかどうかわからない状態になった。
しかし、世界経済は中国の成長に依存している。中国の政治的な失敗は、株式市場の乱高下や通貨危機よりも破滅的な影響をもたらし得る。
特に、日本の近傍に中国があり、経済的相互関係も強いので、中国の経済的な失敗は、大きな悪影響を日本にもたらしてしまう。
もう1つが、中国の失敗が、地域の緊張を増す可能性もある。軍部が政府より上位になり、愛国心を高めるために、中国の力を見せるという行動に出る可能性も高い。
この軍部の行動を習近平は抑えられない。周辺諸国は、中国の経済的な失敗が軍事的な攻勢に置き換わる可能性と、米国の引きこもりが起きて、米国も助けてくれない事態を想定する必要が出ている。今後の政治家は、泣きたくなる状態を想定して政治を行うしかない。
さあ、どうなりますか?
image by: Flickr
『国際戦略コラム有料版』より一部抜粋
著者/津田慶治
国際的、国内的な動向をリアリスト(現実主義)の観点から、予測したり、評論したりする。読者の疑問点にもお答えする。日本文化を掘り下げて解析して、今後企業が海外に出て行くときの助けになることができればと思う。
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● 中共の今後を予測するには、やはり基本的な分析が欠かせないでしょう。
● USA/大西洋ヨーロッパ資本主義は、旧ソ連の崩壊と中共の経済的開放政策
をみて、資本主義が勝った、歴史は終わった、豊かになればすべての国は
自由と民主主義の国≒資本主義国家になるのだと、傲慢になりました。
● この認識が間違っている事は、現実の世界を見ても分かります。時代の進歩=
自由と民主主義でもないし、豊かになれば民主主義国家になるという
幻想も豊かなサウジアラビア等の資源国を見ても分かります。
● 中共の主人公は誰であるかが、問題なのです。革命を起こして命を賭けて国を
とったのは、軍です。そうなのです、主人公は軍なのです。彼らを
無視しては、何事も行かないのは、武人の国の特徴です。
● 有力戦国武将≒地方軍閥を差し置いて、中央で誰かが話し合いで政治を決めるようなものです。
そもそもそんなことは、独裁武人国家では不可能です。軍を抑える事が出来る強力な
カリスマ≒毛沢東のような人のみが、全ての統制は出来るのです。
● 習近平はその毛沢東になりたかったのでしょう。しかし毛沢東の独裁は、閉鎖国家だから
できたことです。経済的に開かれている国家なら、いくらでも海外に逃げる事が
できますから、そもそも独裁は限界があります。
● しかしだからといって、膨大なお金と汚職共産党幹部が、海外に逃げるのを許すことは
何時までも、出来る事ではありません。一般国民の不満がそのうち限界に来るし、
経済が崩壊すれば、共産党や軍幹部に不満の限界がきます。
● 従って、資本主義でない以上、歴史の法則にしたがって、最後は軍部が登場と言うのは
当然でしょう。資本主義の経済構造の上に、独裁共産主義の上部構造が来ることは
それこそ、大矛盾です。毛沢東が墓場で嘆いているでしょう。
● マルクスの法則のイロハを知らずして、マルクスレーニン主義を掲げるのは、大矛盾です。
日本の共産党も、その大原則を知らずに、マルクスレーニン主義を名乗っていますが
そこが根本的に間違っているのです。
● 従って、長期的には、その矛盾を解消しなくてはいけません。つまり下部構造≒経済構造と
上部構造≒共産主義独裁体制を一致させなくては国は大混乱となります。
● 勿論最後は、本来の上部構造に下部構造を合わせるという事です。それがサーカー氏の社会循環論です。
270年=1体制の私の理論からは、中共はまだまだ独裁国家が続きます。誰が独裁を
するかは問題ではないのです。時代の体制が独裁を許すのです。
● 従って、もし混乱が長引けば、軍部が強力な独裁を行うのが時代の流れと言うものです。
それは何時か? やはりUSA/大西洋ヨーロッパが崩壊する時でしょう。
2029~2046年、時はもうすぐそこまで来ているのです。
● それをトランプ氏は語っているのです。やはり4度も破産をした人でないと、本当の危機の
到来を肌で感じる事は出来ないのでしょう。トランプ氏は時代が読めるのです。